宮司よりひとこと

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恩頼【更新日】平成31年1月11日

祝詞によく使われる「恩頼」という文字、これを「みたまのふゆ」と読みます。日本書紀や古語拾遺に出ている古語で、神の神秘な働きや恵みのことを言います。何故このように読むのでしょうか。諸説がありますが、春は木の芽が張るところからハル。夏は稲がナリタツや暑いが転じてナツ。秋は天候が明らかだからアキ。冬は御魂が殖ゆる時期だからフユと言う言葉が出来たと言われています。ミタマとは私たちの体の奥の奥にある霊魂や生命力のことで、遥か遠い祖先から、これを受け継いできました。この御魂や自然界の生命力が、冬は太陽の力の衰えと共に弱くなってまいります。そこで冬は暖かい春が訪れるまでひたすら心身を清め、行動を慎み、内在する魂の力を増殖増大させる期間と考えられてきたのです。祭りの前の「お籠り」や、陰暦月末の「晦(つごもり)」も、これに通じています。

私たちは目に見えない神秘な神の恩恵によって生かされているのですが、便利で豊かなことが長く続くと、感謝の心が薄れて、何事も当たり前になってしまいます。科学が進めば進むほどに、この世は神秘な世界が奥深く広がっていることがわかってきました。昔から一つの霊魂に、四つの働きがあると言われてきました。これを「一霊四いちれいしこん」と言います。生きとし生けるものを幸せにしたい、と言う働きが「さきみたま」。人は時には神秘な力を発揮することがあります、これが「くしみたま」。和やかな心の働きが「にぎみたま」。時には荒々しい心を発揮することがあります、これが「あらみたま」です。これらをバランスよく発揮させるためにも、内在する御魂の安定と増殖が必要です。私たちの祖先は見えないモノを、今よりも遥かに深い感性で捉えていたのです。

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